オリオールは永遠に~女王の血統を持つ最強馬~

皆さんこんにちは!うまカレ初代代表、早大お馬の会佐藤です




だいぶ外も暖かくなってきましたね。続々とG1トライアルレースが終わり、今週末はいよいよ高松宮記念春のG1戦線が始まります。 注目馬はそれぞれみなさんにもいるかと思いますが、果たしてどのようなドラマが生まれるのか…興味は尽きません。





さて、一昨年秋から連載が続いていた血統昔話もついに連載最終回となりました




様々な馬、人を取り上げてきましたが、少しでも皆さんに血統の面白さ、血統の持つドラマの素晴らしさが伝わっていたら嬉しいです





今回は最後ということで、競馬ファンだけではなく一般的知名度も非常に高いあの名馬について昔話をしていきたいと思います









毎回恒例ですが、今日も長くなりそうです。お手元に飲み物とおつまみのお菓子の用意はよろしいでしょうか…?










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突然ですが、皆さん、イギリスへ行ったことがありますか…?




私は行ったことがありません。いつかはこの国に行きたいと思っています。




イギリスは「近代競馬発祥の国」とも言われ、現在も数々のビッグレースが行われてます。中でも伝統の『ダービー』今年235回目を迎えます。一度は本家ダービーを生で観戦したいものです





そんなイギリスの国家元首は、ご存じエリザベス2世女王陛下。今日まで在位62年、女王陛下はイギリスの象徴とも言える存在です






そんなエリザベス女王の日課を皆さんはご存知でしょうか?






女王陛下は毎朝、紅茶を飲みながらイギリスの競馬専門紙『レーシング・ポスト』に目を通すことが日課なんだそうです。



無類の競馬好きで知られる陛下は、毎年6月にアスコット競馬場で行われるロイヤルアスコットレースミーティング、いわゆる『ロイヤルアスコット』を主催。自らも女王の別邸として有名なウインザー城から馬車に乗って競馬場に出向き、これをご観戦されます。




もちろんエリザベス女王は馬主としても知られており、その勝負服は金細工が施された特注品過去2度イギリスリーディング(賞金王)馬主となったほか、昨年のロイヤルアスコットでは、日本の帝室御賞典(天皇賞)のモデルでもある伝統のG1・ゴールドカップを、所有するエスティメイトが優勝しています。



そんな女王の所有馬は、主要レースを数多く制覇しているにもかかわらず、なぜか『ダービー』だけは勝てないとされています。3年前には、所有馬カールトンハウス1番人気となるも、落鉄の影響もあって3着惜敗女王の所有馬がイギリスダービーを勝つことは、イギリス国民の悲願と言えるかもしれません



大井の帝王・的場文男騎手も東京ダービーをなかなか勝てませんが、ある意味「王様がダービーを勝つ」のはなかなか難しいことなのかもしれませんね(苦笑)






それは置いておいて。





女王陛下の所有馬として最も有名なのは、女王の両親の名前を冠したG1キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス、いわゆる『キングジョージ』を勝ったオリオールでしょう



ギリシャ神話の神『太陽の支配者』の名である偉大な種牡馬ハイペリオンを父に持ち、「天使」アンジェロラが母親というオリオールは、まさに『後光』という馬名通りの活躍を見せました。同馬は種牡馬としても優秀な成績を残し、産駒からは凱旋門賞馬セントクレスピンが誕生。セントクレスピンは後に日本に輸入され、現在スペシャルウィークの母母父などに名前を残しています。





1974年のフランスオークスを勝ったハイクレアも、エリザベス女王が所有した一頭。ハイクレアの母系は世界的名門で、現在は種牡馬として活躍中のテイルオブザキャットや、日本ではホウライアキコなどを輩出しているヨハネスブルグといった馬も、この一族出身です。





そのハイクレアの娘ハイトオブファッションも、エリザベス女王所有馬として現役生活を送り7戦5勝の成績。当時は2歳女王決定戦フィリーズマイルがG2だったためG1タイトルこそありませんでしたが、引退後はシェイク・ハムダン殿下に購入され、繁殖に。そこから産まれた第3子が、あのニジンスキー以来のイギリス2冠馬を達成したナシュワン。凱旋門賞馬バゴや、キングジョージ連覇を果たしたスウェインの父でもある名馬を誕生させたハイトオブファッションは晩年にも、英国の誇るG1プリンスオブウェールズステークス、チャンピオンステークス・インターナショナルステークス3つを制したネイエフを出産。2002年にハイトオブファッションは死亡しますが、この一族の勢いは現在もとどまることを知りません






そんなハイトオブファッションの2歳上の半姉バークレアーが、1991年に産んだ牝馬の名がウインドインハーヘア。後にドイツG1アラルポカル(現在のラインラントポカル)を制することとなります




ウインドインハーヘアがアラルポカルを制した際に実はお腹の中に子どもがいた」という話は有名ですね。海外ではたまに種付けして受胎が確認された後に、現役復帰させて走らせるという手段が見られますが、それでG1を勝ったという例は珍しく、彼女の高い能力が伺えます。




しかもこのアラルポカルで倒したメンバーの中には、G1を3勝し後にドイツを代表する種牡馬となるモンズンがいたことを考えると、驚異的です。




アラルポカルを勝った際に受胎していたアラジとの仔は翌年無事に生まれ、グリントインハーアイと名付けられて競走馬デビューを果たします。



ところがこのグリントインハーアイがまるで走らずウインドインハーヘアの繁殖牝馬としての能力に疑問符が付き始めたころ優秀な母系に目をつけたノーザンファームが購入、日本に輸入されることとなります


輸入後、2番仔のヴェイルオブアヴァロンが米G3を勝つなど活躍したことを考えると、ウインドインハーヘアを輸入するタイミングはこの時だけ。まさに、ウインドインハーヘアの日本輸入は運命だったのです






日本でウインドインハーヘアという繁殖牝馬が注目され始めたのは2003年の夏





3番仔シーキングザゴールド産駒の牝馬レディブロンド5歳にして、函館競馬場で行われた1000万条件TVh賞でデビューを果たします。5番人気と低評価ながら、これを目の覚めるような末脚で優勝。その後3ヶ月間で土付かずの4連勝を果たすと、連闘でG1スプリンターズステークスに挑戦
鞍上は柴田善臣
結果はデュランダルから0.2差の4着
健闘したと言えますが、その後歩様に異常が見られたため引退。レディブロンドにとってわずか3か月半の現役生活が終わりました




なかなか珍しい戦績を残したレディブロンドはその後、2009年に急死するまで繁殖牝馬として5頭の仔を生みます。ところが帝王賞を制したゴルトブリッツ含め、2頭がすでに他界。残された牝馬のラドラーダガールオンファイアには、将来に血を残す期待がかけられています








そんなレディブロンドの激動の夏からさかのぼること約1年前








北海道で行われたセレクトセール当歳市場に、1頭の鹿毛の牡馬が上場されました






父は大種牡馬サンデーサイレンス。母はウインドインハーヘア。その7番仔にあたります





6番仔で全兄のブラックタイドは、好馬体を評価されて1億ほどで落札。しかし同馬は小柄のためそこまで評価が上がらず、7000万円ほどで落札



7000万といえば高いように感じますが、この頃は同年他界することとなる、サンデーサイレンスの産駒が「いちおく!」の掛け声に代表されるように、どんどん高値で落札されていた時代。1億円の評価になっても特に不思議ではないサンデー産駒で母が海外G1馬ということを考えれば、安い評価額と言えます実際、この年のセレクトセールに上場されたサンデーサイレンスの産駒の中でも落札額は低い部類でした





落札したのは全兄ブラックタイドと同様、株式会社図研の社長である金子真人氏。過去にクロフネ、キングカメハメハなどの名馬を所有した大オーナーは、『瞳に不思議な力を感じた』と、この小柄な鹿毛の牡馬を落札します





今考えても凄い理由です。私もいずれ『瞳に不思議な力を感じた』という理由で競走馬を落札するくらいに出世したいものです(笑)ちなみに金子オーナーは、私の大学の先輩でもあります。学部も同じ。偉大な先輩に追いつけるよう私も頑張ろうと思う次第です。






さて、この落札された鹿毛の牡馬は変わらず小柄ですが、順調に成長します。その後2歳となった秋、全兄ブラックタイド同様に栗東の池江泰郎厩舎に入ります






ブラックタイドはスプリングSを優勝するなど活躍。同馬も周りからは期待されていたようですが、変わらない小柄な体系に、陣営の方は活躍できるか半信半疑だったそうです。







そうですね。言わずもがな、



今日のお題はディープインパクトです









その後の活躍に関して改めてここで書く必要はないでしょう。







あの新馬戦は当時自宅で眺めていましたが、あまりの強さに食べてたカップラーメンが鼻から出そうになったくらいで。







個人的にディープが一番強かったのは天皇賞春だと思っています掟破りの3コーナー前からのロングスパート、そしてレコード勝ち。2着リンカーンに騎乗していた横山典弘騎手が残した『生まれた時代が悪かった』という言葉が、その全てを表しています。本当に、圧倒的な強さでした。







引退レースの有馬記念は、実際に中山競馬場に観に行きました。生で見るディープの走りはまるで猫のようなフォーム。あの走りは今も目に焼きついています





すでに種牡馬としても多数の活躍馬を輩出。今年はハープスターなどの注目馬が春のG1戦線を賑わせることでしょう










一方、女王陛下の最高傑作オリオールはというと、産駒は活躍したものの次第に勢いを失い、直系で残っている系統はほとんどないという状況になっています






しかし、ディープインパクトの主戦だった武豊騎手に100勝目のG1をプレゼントしたトーセンラーは、3代母父が凱旋門賞馬ヴェイグリーノーブル同馬の父は、オリオール産駒のヴィエナなので、トーセンラーは父方にも母方にも、エリザベス女王の所有馬の血が入っていることになります。




実はこのヴィエナを生産、所有したのは『一国の宰相になるより、ダービー馬のオーナーになる方が難しい』という言葉を残したとされる、元イギリス首相のウィンストン・チャーチル。国王の所有馬の息子を首相が所有というところ辺りがイギリスです(笑)





トーセンラーは『女王の血統』と言うと大げさかもしれませんが、エリザベス女王に大変縁があることは確かです。牡馬なのでエリザベス女王杯には出走できませんが(笑)日英を繋ぐ存在ともいえる同馬には、さらなる活躍を期待したいです






ヴェイグリーノーブルといえば、チチカステナンゴ産駒のキングズオブザサンと母クロウキャニオンベルキャニオンが、今年の3歳クラシック戦線に挑んでいます3頭ともオリオール持ちで、特にベルキャニオンは『女王の血統』にあたります。ちなみに『女王の血統』といえば、高松宮記念に出走するレッドオーヴァルも該当しております






クラシックには、ウインドインハーヘアの仔モンドシャルナがダービーを目指して奮闘中。既にリルダヴァルなどを輩出しているヴェイルオブアヴァロンの仔ヴォルシェーブは残念ながら脚を痛めて春は全休となりましたが、その目線は菊花賞に向けられているようです







世界を通じて今後も女王陛下に縁の深い血を持つ活躍馬は出てくるでしょうし、何よりエリザベス女王陛下の所有馬がダービーを制覇をする瞬間がやってくることを願うばかりです。その瞬間はぜひともエプソム競馬場で生で観たいものです













さて、長々と続いてきた今日のお話もここまで










この連載ではここまで数々の名馬、人を取り上げてきました






エアソミュールが武豊騎手で出走ということでちょっとした昔話を書いて以降



オルフェーヴル、ゴールドシップ、ニホンピロアワーズ、テスタマッタ、ロゴタイプカレンチャン、ホエールキャプチャブライアンズタイム、トウカイテイオー的場文男騎手メイショウマンボデュランダル、スズカフェニックス、キズナウオッカ、スターロッチ、キストゥヘヴン、そしてディープインパクト






名馬に歴史あり、ドラマあり。まさに名馬は一日にして成らずと言えますね





ん?名馬の中に人が一人混じってる?




的場文男騎手悲願の東京ダービー制覇に向けて、今日も元気に(元気すぎるくらい?)馬を追っています。昨日名古屋競馬場で行われた東西対抗ジョッキー名人戦では2戦とも勝利し、文句なしの戦功第一(褒美として高級ハムが送られていましたね笑)。
先日も大井競馬場で常識外れの追い込みを決めて、その魅力でファンをKOしていました。とても57歳の動きではありませんね。常識というものさしで測ることができないです










今日も、日本のどこかで、世界のどこかで馬は走り続けています





普段、私たちの目の前を走っている馬から、何十年後にとんでもない名馬が出現するかもしれません。それがまた競馬の魅力でもあり、血統の面白さだと思います





競馬には色々な楽しみ方がありますし、数え切れないほどの魅力が存在します





それを同世代の仲間と語り合え、競馬を知らない同世代にその魅力を伝えていく…





これがうまカレを創設した際の思いであり、後輩たちが今でもしっかり受け継いでくれているであろう思いでもあるでしょう






そんなうまカレに入って競馬をやりませんか?




もちろん考え方によるでしょうが、競馬って複数人で観たほうが不思議とより面白さが増すんですよね。



大学に競馬サークルがない方も、競馬サークルがあるもののうまカレに入りたいという方も、すでに大学に通っている方も




皆さん大歓迎です!



と引退した私が言うのもなんですが(笑)、後輩たちは歓迎しますよ。





私はうまカレを通じて様々な馬、人との出会いを経験させてもらいました。自身の競馬観に大きな影響を与えられる出会いも数多くありました





震災直後、ビッグゴールドに会いに行った際のアドマイヤフジとの出会いなどは、うまカレがあったからこその出会いと言っていいと思います




皆さんにも、うまカレに入れば、うまカレでしか出来ない経験、出会いが待っているかもしれません






私はうまカレがそのような場であり続けることを願っていますし、皆さんがうまカレに加入されることを願っています









この連載でメイショウマンボを取り上げた時に紹介した『メイショウ』の冠名でお馴染みの松本好雄オーナーの座右の銘を皆さん覚えていらっしゃるでしょうか






『人がいて、馬がいて、そしてまた人がいる』




私、この松本オーナーの座右の銘、好きなんですよね。常日頃から競馬全体を考えていらっしゃる松本オーナーらしい座右の銘でしょう









うまカレの後輩たちには常にこの言葉を忘れずに、より一層競馬の魅力を広めていってほしいと思っています









以上、ここまで長々と連載を見ていただきありがとうございました!
また突然現れるかもしれませんが、その時はよろしくお願いします(笑)






というわけで、早大お馬の会佐藤ワタルでした!



アディオス!


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全国の大学に在る競馬サークルのメンバーを中心とした競馬を愛する学生たちが既存の競馬ファンだけでなく、競馬をやったことのない人たちにも『競馬の楽しさや素晴らしさを伝えよう!』と立ち上げた学生団体です。

学生競馬ファンのリーディングとして、主に学生を中心とした同年代へ向けて、競馬の素晴らしさ、面白さを様々な視点やコンテンツを通じて紹介し、競馬文化の普及、競馬事業への文化的支援を行うことを目的としています。

オグリの時代に生まれた僕らで
オグリの時代の熱狂を、もう一度。

※2005年より20歳以上であれば学生でも勝馬投票券を購入できるようになりました※

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