~人と馬のつながり、縁~


こんばんは!
月に1度登場するのが恒例となってきた、うまカレ前々代表、早大お馬の会佐藤です。



春のG1戦線も終わり、夏競馬が始まりましたが、皆さん変わらず競馬を楽しんでますか?笑
 

どうしても夏競馬は小回りでの開催ということで予想が難しい、という声も聞きますが、小回りならではのレースの面白さがありますし、予想し甲斐のあるレースが多いことから、私は毎年夏競馬を楽しみにしています。



馬券を買わない方々でも、夏のローカル開催に足を運び、地元のおいしいご飯に舌鼓を打ちながら競馬を観る…そういう楽しみ方もできますからね!


私は札幌競馬場のご飯のレベルが高いと思っていまして、毎年夏の札幌遠征が楽しみなんですが、今年は札幌開催がなく、代わりに函館へ遠征することになりそうです。函館も海の幸山の幸ご飯がおいしいとよく聞きます。今から楽しみです!





さて、恒例の月イチ血統話。先月は東京ダービー特集ということで血統とあまり関係のないお話を取り上げました。


今年の東京ダービー、
ついに的場文男騎手がダービーを勝…てると思いましたが、残念ながら今年も勝つことができず。。。


私も声が枯れるほど叫んで応援したのですが…ダービージョッキーの称号はなかなか遠いですね。



しかし、私は諦めていません。来年こそ、ダービーを制するのは的場騎手だと信じて、また応援していこうと思います。





そして、7月のお話。今回のお題は前回の予告通り、今年の春競馬を盛り上げたとある1頭。


今年の春のG1シリーズは『絆』をはじめとして、様々なドラマが誕生したことが話題になりました。



今回はその中から、とある『絆』に関して、話を進めていきましょう。



また長くなると思いますので、通勤通学の暇つぶしに、ティータイムのお供に、のんびり眺めていただければと思います。






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G1馬がいれば、当然未勝利馬もいる。


活躍馬よりも断然未勝利馬が多いのが競馬。


活躍すれば種牡馬、繁殖牝馬としての道が開けてきますが、未勝利では、ある程度良血でなければ、よほどのことがない限り牧場に戻ることはできません。


もちろん乗馬という道もありますが、みんな乗馬になれるわけではない…


これも競馬。


少々暗い話から入ってしまいました。しかしこれも競馬の現実なのです。年間6000頭以上いる中で、第2の馬生を与えられる馬は多くありません。



今日のお話のお題の馬のお母さんも、今から8年ほど前に中央競馬で12戦して、馬券に絡むこともなく未勝利でした。

父にグラスワンダー、母に報知杯4歳牝馬特別(現在のフィリーズレビュー)2着だったメイショウアヤメを持つこの牝馬の名前は、メイショウモモカ。


確かに母は重賞で2着になっていますが、一族に他に活躍している馬は見当たりません。


遠縁にフィリーズレビューなどを勝ったマイネレーツェルがいたり、母系を遡れば菊花賞馬ダイコーターの名前を見つけることはできますが、社台ファームなどにいる繁殖牝馬と比べると、良血という点では明らかに見劣ってしまいます。



そんな未勝利のモモカに、繁殖牝馬として大きな期待を掛けていたのが、馬主の松本好雄さんです。


大型船舶のエンジン部品製造会社『株式会社きしろ』の会長である松本好雄氏は、『メイショウ』の冠名でお馴染みですが、馬主生活40年、これまで所有した馬は実に1000頭以上にのぼります。

一世代あたり50頭以上所有し、日高の中小牧場から積極的に馬を買い続けることから『日高の神様』と呼ばれる、日本競馬になくてはならない方です。


松本オーナーは『人とのかかわりを大事にして今まで生きて来た』と語るように何より人のつながり、縁を大事にする方として知られており、自分の所有馬から活躍馬が出ると、その馬の子孫はまるごと買い取るほど「縁」を大事にされます。


実際メイショウアヤメの子、孫で競走馬デビューした馬は14頭いますが、そのうちの13頭はオーナーが松本会長です。他に、以前活躍したメイショウバトラーあたりも一族のほとんどを松本オーナーが購買しています。



さて、松本オーナーが未勝利ながら繁殖として期待していたメイショウモモカですが、産駒はなかなか走ってくれません。モモカの母系は遡るとライジングフレーム、シンザン、ミルジョージなど底力ある種牡馬が交配されていたのですが、結果が全てのこの世界。


そんな中モモカに種付けされたのは、日高で生産された天皇賞馬のスズカマンボ。この配合は血統好きからすると実に素晴らしいものなのですが、それを語り始めるとこのブログを読み終わるのに1時間は掛かりそうなので今回は省略します(笑)


翌年生まれた子は鹿毛の牝馬。祖母アヤメに似た激しい気性を持ちながら、育成時代から軽快な動きを披露したことでようやくモモカからいい子が出たと評判だったようです。


この馬が今日のお題、メイショウマンボ


栗東入厩後も軽快な動きを披露し、1番人気に支持された新馬を快勝。これがモモカの子としては中央初勝利。その後も安定した走りを続け、フィリーズレビュー制覇。この牝系を大事にしてきた松本オーナーにとっても、いつも以上に嬉しい重賞勝ちだったと思います。



ところが、この頃お母さんのメイショウモモカが急死。そして娘のマンボは桜花賞でも期待されながら大敗…



減り続ける馬体重、激しい気性を考えると不安な輸送…それでも陣営は追加登録料を払いオークスへ。



迎えたオークス当日。初めての東京競馬場ということもあったのか、パドックからマンボはパニックに。返し馬も落ち着いて走れず、その影響で口の中を切ってしまい口の中は血だらけだったようです。

その前日、管理調教師の飯田明弘氏が体調不良で入院。

アクシデント続きだったマンボですが、ゲートを出るとパニックになっていたのが嘘のように折り合い、道中いい手応えのまま直線へ。騎手の檄に応えると鋭く伸びエバーブロッサム以下を封じて見事1着でゴール。人気薄だったのが信じられないくらいの完勝劇を見せました。



祖母のメイショウアヤメが短距離馬だったとは思えないこの勝利。最後の直線、天国の母モモカの後押しがあった…のかもしれませんね。松本オーナーにとっては、G1馬はマンボで4頭目。これまでメイショウドトウ、メイショウボーラー、メイショウサムソンでG1を制してきた会長にとって、母も所有していた馬でG1を勝つのはメイショウマンボが初めて。表彰式での涙は近年不振だった鞍上武幸四郎騎手に対する思い、この一族に対する思いなどがあってのものだったと思います。



社台グループが隆盛を極めている、今の日本競馬。社台グループの研究熱心さ、貪欲な姿勢は日本競馬の大幅なレベルアップに貢献しており、社台なくして今の日本競馬はないと言えるでしょう。



ただ、松本オーナーのような人物がいるからこそ、日本競馬が成り立っているのもまた事実。どのセリでも売れず、誰も注目しないような売れ残りの馬を購入し、常日頃から人との縁を大事にされているオーナーの姿勢を、私は尊敬します。




以前メイショウサムソンが皐月賞を勝った時も、日高では生産者たちが多忙な繁殖シーズンの合間を縫って日ごろお世話になっている松本オーナーの皐月賞制覇祝賀会の準備をし、かなり多くの人数が集まったようです。

そもそもサムソンも、普段お世話になっているオーナーのためにと生産者たちが馬を探し集めた数頭の中から発掘された馬『人との付き合いのなかで馬を選んだほうが楽しみが大きい』と語るオーナーだからこそ、サムソンのような名馬に出会えたのだと思います。



『人がいて 馬がいて そしてまた人がいる』



松本オーナーの座右の銘だそうです。



競馬は優秀な牝系を持つ良血馬のほうが走る確率が高いのもまた事実。しかし、良血馬だけではなく、人との繋がりも一朝一夕でできるものではありません。このような方がいるからこそ、私たちは春のG1で演じられた数々の名勝負を目の当たりにできたということを、忘れてはいけないと思います。



父にメイショウオウドウを持つ今年2歳の牡馬が、メイショウモモカ最後の仔となります。姉マンボと同じく飯田明弘厩舎に入厩するようです。


この馬の父メイショウオウドウ、母父グラスワンダーは1999年の毎日王冠でハナ差の死闘を演じた2頭。そんな血統を持つこの馬は、今度はどんな夢を見せてくれるのでしょう…。来年の春が楽しみですね。




さて、今日のお話もだいぶ長くなってしまいました…そんなに昔から血統振り返ってるわけではないのですが、つい長くなってしまいますね。新宿から中央線に乗ったあたりで読み始めた皆さん、もう国分寺あたりまで来ましたか?(笑)



次回は…どうしましょう。取り上げたい馬はいるのですが…



まあのんびり構想を練っておきます!






そういえば、後輩たちがうまカレフリーペーパー『U』新作を完成させたようですよ!


告知がありましたが楽しみにしていただいている方も、まだ見たことないという方も、ぜひ手にとっていただければと思います。

内容も盛りだくさん、とあるジョッキーにインタビューもしているらしいです!





ということで、また来月お会いしましょう。




以上、早大お馬の会佐藤でした。



アディオス!

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うまカレ


全国の大学に在る競馬サークルのメンバーを中心とした競馬を愛する学生たちが既存の競馬ファンだけでなく、競馬をやったことのない人たちにも『競馬の楽しさや素晴らしさを伝えよう!』と立ち上げた学生団体です。

学生競馬ファンのリーディングとして、主に学生を中心とした同年代へ向けて、競馬の素晴らしさ、面白さを様々な視点やコンテンツを通じて紹介し、競馬文化の普及、競馬事業への文化的支援を行うことを目的としています。

オグリの時代に生まれた僕らで
オグリの時代の熱狂を、もう一度。

※2005年より20歳以上であれば学生でも勝馬投票券を購入できるようになりました※

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